リンクライズ 営業所ニュース 出会い!...そしてLINKリンク(つなぐ) 2014年12月14日 (日)

12月7日

岩手県上閉伊郡大槌町吉里吉里(きりきり)
3年前、津波が町を襲い、多くの尊い命が一瞬にして奪われた地。
この地で再び会える喜びと生きる情熱を感じる出会いでした。
 
話は遡り11月21日。
東京ビッグサイトで行われた
「H!NT 新価値創造展2014」での出会いが始まりでした。
兼ねてより、近いうちに来るであろう「東京大震災」に備えて
「こんな物があれば良いなぁ...。」と思いを巡らせていました。
そんな中、たまたま見たFacebook の投稿に目がとまりました。
   
「あった!!」
 
私は思わず声をあげていました。
今まさに東京ビッグサイトで出会える!!
もう私の体は、その企業だけを目指して向かっていました。
ブースの前にたどり着いた私は、まさに感動!!でした。
私の願いが「形」となって目の前にあったからです。
担当者の方とのお話も弾み、会社訪問も即答で快諾してくださいました。

        ↑(宿泊地、岩手県北上の朝は雪景色でした。)

数日後、私は胸の高鳴りを抑えながら東北道を北へと車を走らせていました。
岩手の北上に宿を取りました。
翌朝一面の雪化粧に覆われた町を出発。
一路、本社工場のある大槌町へと向かいました。
大槌町までは、圧雪された雪道が所々にあり、ドキドキしながらの運転でした。
北上を出発して約2時間。13時過ぎに会社にお伺いすることが出来ました。

日々ご活躍でお忙しい山岸 一 社長には、お会い出来ませんでしたが、
専務であり、奥様である山岸千鶴子さんとお会いすることが出来ました。

津波で本社兼第一工場が壊滅。
顧客数も半分になった中での再建。
津波の体験。
そして未来の展望。
などを強く、そして静かに語られる千鶴子さんの、
熱く燃える魂を感じました。

ほんらい山岸産業は金属加工が本業です。
でも、
震災の時に「こんなものがあれば.....」
「この体験を生かさなければ..」
「被災経験を生かした新たなものづくりをしなければ!」
そんな願いを 「形」 にしていたのです。

山岸産業オリジナル「ハイブリッド発電機」
震災後の復旧活動が行われる中、燃料不足とメンテナンスの不備でほとんどの発電機は使えませんでした。
でも家庭用のガスボンベは燃料として使える状態にあったのです。
そんな体験をもとに考え出されたのがこのLPガスとガソリン併用型の発電機です。


          ↑パンフレットのコピーです。見えにくくてごめんなさい。

荷物運搬用電動自転車
復旧活動が行われているとき、「車が使えない!もっとたくさんの荷物を運べるものがあったら.....」
当時、自転車が物資の運搬・人の移動に大活躍しました。
しかし一度に運べる量は限られていました。
この時の千鶴子専務の願いが、この自転車の開発につながりました。


2011年3月11日
本社工場では、この日も朝から通常通り出勤。朝から操業が始まっていました。
千鶴子さんも社長も社用で社外に出かけていました。

午後2時46分18秒
その地震は発生しました。

宮城県牡鹿半島の東南東沖130Km・仙台東方沖70Km
太平洋の海底を震源とするM9.0
日本周辺における観測史上最大の
「東北地方太平洋沖地震」(のちに「東日本大震災」に改称)
が発生しました。
その約30分後、黒々とした波が防波堤を乗り越え、
一気に町を飲み込んでいきました。

千鶴子さんは、幼いころから三陸の海の近くで育ち、

おばぁーちゃんに
「地震が来たら津波が来る。てんでこ!てんでこ!」
「自分の命は、自分で守る!決して戻るな!!」


何度も何度も聞かされて育ち、経営の中にもそのことを取り入れ、
震災以前から避難訓練を行っていたそうです。

がれきの社屋には車が打ち上げられ、見るも無残な姿になっていました。
こんな惨状の中、唯一の救いだったのが、
従業員が訓練通りに避難をして、誰一人犠牲にならなかったことでした。

震災後も訓練は続けています。
実体験に基づく訓練はその評価も高く、今ではその訓練から多くの事を学びたいと、
訪れる個人や団体も増えてきているそうです。

来社される方への防災用品の提案・展示
来社される方に「危機管理がいかに大切であるかを知ってもらいたい」との願いから
具体的に防災用品の提案も行っています。
いまも避難訓練を重ねるごとに、必要用品も随時見直しや追加が行われています。




社員用防災用品
この防災用品は、すべての社員の物が準備され、ヘルメットには名前・血液型が記載されています。
この他に来客にも準備されており、危機管理の高さがうかがえます。



山岸千鶴子 専務  と  わたし(^^♪


     新たな挑戦 「MIKI(ミキ)プロジェクト」

 3.11は、多くの犠牲を払いました。
わたしは、この時を機に「生きる」ということを深く考え、
いのちを運ぶ行動を起こすことが大切なんだと感じはじめました。
「1坪の土地に一本の木を植える。」
その木は10年後20年後30年後と歳月を重ね、やがて大きな樹に育ちます。
その樹はやがて林になり森となり生き物が集まります。
人は安らぎ豊かな場所が生まれ、生活が営なまれます。
「木」は植物としての表現に限りません。
今回お会いした、千鶴子専務のように、その地に根差し、「生きる」ことを、
真正面から見据え輝いている人も「木」だと感じます。
そして、その「木」を拠点として、拠点と拠点を結び大きなネットワークで地球を包み込む。
そのとき、私たちを育んでくれた地球に本当の恩返しができると感じています。
先祖から子孫へと受け継がれていく。
綿々とつながる「いのち」。
この「いのち」を未来につなぐ。
そして、すべての人が何物にも束縛されず、
いのちを育む地球を感じ共に生きることを考え、
互いを受け入れ、争いの無い世界にすること。
未来を託す子供たちが安心して過ごせる環境を残すこと。
これが、私の「志」です。
真を求めれば輝く魂(人)に出会える。
そう感じた千鶴子専務との出会いに心から感謝します。
ありがとうございます。


一言彼女は言いました
従業員が死んでいたら 私たちは ここで仕事を再建できなかった...」
と...。


データー
株式会社 山岸産業
本社
〒028-1101
岩手県上閉伊郡大槌町吉里吉里30-60-1
代表取締役 山岸 一
電話 0193-43-1055 fax 0193-43-1077
http://www.yamagishi-plate.co.jp
大槌工場 〒028-1131 岩手県上閉伊郡大槌町大槌10-52-1
花巻工場 〒025-0312 岩手県花巻市二枚橋5-6-38 花巻市賃貸工場G棟
東京支店
〒110-0005 東京都台東区上野7-11-10 上野第9ビルB1
電話 03-6826-5646 fax 03-6826-5647 
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